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My Candle Life

2022 AUTUMN ISSUE.01

生きていく上でキャンドルがもたらすもの

白熱電球が発明され、蛍光灯に進化し、また電気コンロが生まれ、今はLEDの時代。
人々の暮らしの中に「火」は存在しなくなりました。
その一方で、キャンドル需要が世界的にも増えてきています。
わたしたちはそれぞれの「CANDLE LIFE」を紐解くことから
キャンドルの大切さを考えていきたいと思います。


Showcase 01
クリス 智子 Tomoko ChrisRadio Personality

キャンドルとの出会い

おそらく原風景としては、小さいころアメリカでの親戚みんなが集まる家族でのクリスマス。食卓の真ん中や、窓際に。夏にはポーチに。アンティーク業にも関わりのある家族なので、アンティークのキャンドルスタンドをプレゼントにもらったりもしました。それは今でも大切にしています。

その後、30代には一人でヨーロッパやニューヨークに旅行に行くようになり、滞在するホテルなどで素敵にキャンドルが使われているのを目にしては、旅のイメージを持ち帰るように、家でもキャンドルを使う頻度が増えました。そうした一人の時間に灯して楽しむキャンドルの一方で、オーストラリアのウルルやカナダではオーロラを待つ時間に先住民族の話など、キャンドルを灯しながら聞いたり語り合ったことも、とても記憶に残っています。

2011年の東日本大震災の時には、あらためて日頃からキャンドルを使いながら常備することも意識するようになりました。毎夜、灯すようになったのは、この時からです。

※ ウルル 世界で2番目に大きい一枚岩 オーストラリアにありエアーズロックとして有名

キャンドルの魅力について

・必要なものだけを照らし出す。
・黙ることと語ること、両方の大切さがわかる。
・空間や時間のような、“間”を生む。
(時計の針の点と点ではなく、その間の揺らぎ)
・部屋に陰影が生まれ、景色が変わる。

キャンドルをどんなときにどんな使い方をされますか

太陽が落ちるころ、その色を家にそっと移すような感じでキャンドルを灯します。曇りや雨の日は、昼間からつけるのも、また味わいあり、とても好きです。
ベランダや庭など、アウトドアで楽しむことも。

「キャンドルライフのススメ」をどんなふうにおすすめしていますか

なかなか言葉で伝わりにくいこともあると思っているので、
できれば、一緒に時間を過ごすことが一番だと思っています。
キャンドルは、単に飾ったり、明かりという機能のためのモノではなく、
それが生む場を体感して欲しいと思っています。
あとは、時々プレゼントします。

ご自身のマイキャンドルライフとは

これまでとこれからをつなぐ今日を、愛おしく思うもの。

profile photo

クリス智子

幼少期を京都〜ハワイ〜フィラデルフィアで過ごし、8歳より横浜で育つ。大学卒業と同時に、J-WAVE でのラジオパーソナリ ティをはじめとする活動を開始。平日朝のワイドプログラム 「BOOM TOWN」を 10 年つとめ、旺盛な好奇心でリスナーとのコミュニケーションを愛し、爽やかな語り口調、明るく快活なトー クやインタビューが定評を得る。現在は、J-WAVEの番組「GOOD NEIGHBORS」でレギュラーナビゲーターを担当するほか、テレビ番組のナレーション、イベントMC、執筆活動など幅広く活躍中。自然とともにある生活を愛し、日々、夕方沈む太陽の色をそっと 移すように、キャンドルに火を灯す愛好家。


Showcase 02
小林 祐治 Yuji KobayashiGEOMETRICGREEN Inc.

キャンドルとの出会い

若き日に植物の装飾を始めた頃、あるファッションブランドのイベント装飾にキャンドルを扱わせていただくことがありました。装飾準備も終了しイベントスタートの時間が迫り、キャンドルに火が灯されると、空間全体を支配する柔らかな光の空気に感動をしたことを今でも鮮明に覚えています。あの一瞬から私とキャンドルの位置関係は近くなり、キャンドルを強く意識するようになっていきました。

キャンドルの魅力について

キャンドルは私たちの感覚に触れる魅力があります。人間は視覚から得られる情報収集が感覚機能の中でも一番影響力が高いと言われますが、それと並行して私はキャンドルワックスが溶けていくときに微かに届く香りが視覚情報と同様に好みです。

キャンドルをどんなときにどんな使い方をされますか

キャンドルが発する揺らぎや光は人の心にある喜怒哀楽を優しく包んでくれます。
「喜び」は増幅し、「怒り」は和らげ、「哀しみ」に寄り添い、「楽しみ」は期待を高めてくれます。
一日の終わりに火の揺らぎの前に今日の自分を晒してみると、何か明日に繋がる自分なりの結論に導かれることが多くあることは不思議に思います。

キャンドルライフのススメ」はどんなふうにおすすめしていますか

キャンドルは家族の誕生日やお葬式などの時に自分に近づく、言わば特別な時間に触れることが多くの人は一般的だと思います。最近では見るだけでとても綺麗なキャンドルも多く手にすることもできますが、キャンドルの本質は飾るだけのインテリアの一部では勿体無いので、是非芯に火を灯し、そのキャンドルが終了した際には新たなキャンドルとの出会いを求めてみてほしいと思います。

ご自身のマイキャンドルライフとは

以前は仕事上においてキャンドルをドライな気持ちで使用する機会が自分との接点の大きな部分にありましたが、ある時から毎日のようにキャンドルを自宅で灯す機会を持つ様になりました。
時に照明の代わりに。時に心を寄せて。
溶けて崩れていく姿も愛おしい。
植物とキャンドルは生涯自分と離れることがない仲間、そんな気がしています。

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小林 祐治

音楽活動後、フラワーデザインアーティストに転身して独学でフラワーデザインを学ぶ。幾何学的なスタイリッシュさと禅的ミニマルデザインがオリジナルテイストとなり探求を続ける。同時に、国内外インターナショ ナルホテルにおける花装飾監修 / 技術指導や、ファッションブランドイベントや大手企業での装飾を多数手掛ける。
近年は中国 Park Hyatt Shanghai でのワークショップ、COHIM Flower School 北京にて 特別講師として開講、ベルギー Stiching Kunstboek より作品集「TOKYO FLOWERS」 を出版するなど幅広く活躍中。2011年からは東日本大震災で被災された福島県内にてワー クショップやアートワークを通じて現地交流を続けている。
https://www.geometric-green.com


Showcase 03
金指 琢也 Takuya Kanazashi日本キャンドル協会代表理事

キャンドルとの出会い

学生時代のハワイ滞在時に、当時日本ではまだ主流ではなかった海沿いのオープンテラスのレストランで、たくさんのキャンドルが並ぶ風景を見ました。そのまったり感がとても印象的だったこと。そして、キャンドルの灯る空間での時間の過ごし方に驚きました。食べてすぐ帰る方は少なく、食事のあとゆっくりと家族や恋人と会話を楽しんだり、ひとりでぼーっとしていたりする。キャンドルの揺らぎとともに過ごす時間は、とても豊かで、こんなにも贅沢な空間になるのだと感じた日が私とキャンドルの出会いでした。

キャンドルの魅力について

キャンドルは最高の名脇役だということです。例えばウエディングでのキャンドル。新郎新婦様を美しく照らし、キャンドルリレーでは会場に一体感を持たせ、ゲスト同士を繋ぐ役割を果たしてくれます。揺らぐ優しいあかりだからこそ、その場にいる人たちを引き立て、主役を輝かせる魅力があります。

キャンドルをどんなときにどんな使い方をされますか

デスクワーク、主にパソコンで仕事をするときによく使います。パソコンなど電気製品からはプラスイオンがでていると言われ、キャンドルは灯すとマイナスイオンが発生すると言われています。アロマキャンドルを使えば、香りで気分をリフレッシュさせることもできます。仕事に追われている時ほど、リラックスする気持ちを大事にしたいので、意識的にキャンドルを灯すようにしています。そして、揺らぐあかりがそばにあると、メールの文章が優しくなる感じがします。(笑)

キャンドルライフのススメ」はどんなふうにおすすめしていますか

まずは灯してみてください。と、お話しています。つけるのがもったいない…とよく言われますが、灯さない方がもったいない(笑)。キャンドルは飾るのではなく、灯して初めて良さがわかるものですから…とお伝えしています。また、誕生日やクリスマスのような特別な時だけじゃなく、食事やお風呂、読書、晩酌など、楽しみ方は日常のライフスタイルの中に溢れていることも知ってほしいと思っています。例えば、シンプルな円柱形のピラーキャンドルは、ただ灯し続けていると芯が埋もれて火がつかなくなってしまいます。そうならないように、溶けた蝋を流してお手入れをしながら灯すこと、これを「キャンドルを育てる」と言います。キャンドルは観葉植物と同じように手をかけて楽しめるインテリアアイテムでもあるんです。

ご自身のマイキャンドルライフとは

1番落ちつく照明(あかり)です。電気とは異なり、炎がゆらめく優しいあかりがとても心地よいです。ひとりで灯すときは心が落ち着きます。そして、誰かと一緒にキャンドルを囲めば、キャンプファイヤーの時に自然と会話が盛り上がるのと同じような時間を過ごすことができます。キャンドルは、人と人との距離を自然と縮めてくれる。そんなあかりだと思っています。

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金指 琢也

三重県四日市生まれ。ローソクトップメーカーに入社し1995 年よりキャンドル事業部門の立ち上げ に参画。インテリアショップやホテル・レストラン・ブライダル施設を中心に国内におけるキャンドル マーケットを開拓。 世界各国のキャンドル市場にも精通し、世界の有名ブランドを日本に広める。キャンドルを “ 灯す ” 素晴らしさを伝えるべく全国各地でキャンドルイベントを行うほか、アロマキャンドルやバスキャンドル、キャンドルリレー等、キャンドルムーブメントの火付け役となる。 『初心者にもわかりやすいキャンドルライフ』を提唱しワークショップやセミナー、講演活動を精力的に行う。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどメディア出演も多数。

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